6.16 UPDATE ◆敗戦ショック

試合開始1時間半前には
増島みどりさんの本「ジーコ」(※1)の
プロローグを読み直し、昼に本屋で見つけた
「GERMAN FOOTBALL STADIUMS」(※2)という写真集で
これから試合が行われるスタジアムの写真をじっくりと眺め
もしポール・ラウドケップと一緒に観戦してたら
どの辺りの席だろうなんて想像しながら
(行っていたらカテゴリー1の席だった)
試合開始までずっと現地情報を伝えるテレビを見ながら待った。

 ※1:5/20 UPDATE で紹介したが、その書いたものを
    著者の増島さんが気に入ってくれて
    彼女のホームページの本の紹介のところにある、
    ジーコ本人のコメントの紹介のその下に
    なんと僕の“書評”が紹介されているというサプライズ
 ※2:daab刊 2006年

単にテレビで見てるだけなんだから
そんなに気合いが入ってもしょうがないだろ、
と自分で自分に突っ込みたくなるぐらい気を入れながら
試合前のスタジアムや日本代表の様子に注目.......。

そしてその約2時間後。
ショックでテレビの前から動けない。
20分ぐらい体が火照ってなかなか冷めない状態が続いた。

試合中は「これ、ポールと見てたら喧嘩になるよ」という
日本のファール気味の先制点、そして
「これ、ポールと見てたら声がお互いに出なくて気まずい最後だよ」
という容赦のない逆転と駄目押し、完璧な敗戦......。
テレビはグターッとして席から立てないような
日本サポーターを映し出していたが
僕もテレビの前でまったく同じ状態に陥った。

ドーハの時に「こんなに皆応援してるんだから何とかなる」
なんて思いは現実の前にまったく意味をなさないということを知り
それはとてつもないショックだったが、
あの時に勝るとも劣らないぐらいのショックを久々に受けた。

しばらく経って冷静に振り返ってみれば
日本にはシュートらしきシュートがほとんどなく
逆にオーストラリアは川口の好セーブがなければ
何点入っていたんだろう?というぐらい
いいシュートがたくさんあった。
日本は枠に飛んだシュートが少なく
僅かに飛んだシュートもスピードがなかった。
何よりも何故ここで打たないというシーンが何回かあった。

あれから3日経ち、総合スポーツ誌が早くも
この試合を含めた速報版増刊号を出した。
そのまったく同じタイミングで出た競合誌
「ナンバー」「スポーツ!ヤァ」は発売日が同じ上に
表紙に川口の写真を使っているのも同じだった。

これだ.......
競合している雑誌(社)同士が
同じタイミングで同じ趣旨の同じ様な表紙の雑誌を出す、
この横並びの精神こそ
日本のシュートが入らない、つまり
頼りになる突出したフォワードが生まれない
社会的背景であり環境なのだ。

この象徴的な表紙を並べて見ていると
シュートを打たずにパスをで出してしまう土壇場の意識は
選手1人から生まれたものでなく国全体が生み出したもので
二重の意味で選手たちは国を代表し象徴しているということがわかる。
1競技だけの強化や対応ではなかなか解決できそうにない
根が深いテーマがそこに見えて来る。
そしてある種、途方にくれるような気分になる.....。


(UPDATE 3116 針谷 和昌)