1.14 YY山本ゆうじ@日系ブラジル人たちと鵠沼

日系ブラジル人たちと鵠沼


僕のスポーツDJのキャリアのきっかけは、ビーチバレープロデューサーの針谷氏から
のご依頼をいただいた、’89年の横浜開港100年祭記念ビーチバレー大会でした。大
会には日本以外から、アメリカ、オーストラリア、ブラジルといった強豪が招待さ
れ、初めてみる海外選手のプレイ、一つ一つに驚きました。そんな中で特に印象的
だったのがブラジル選手で、確かエディーニョだったかな?胸板が厚くてね、とにか
くタフ。試合中はペア同士で怒鳴りあったかと思うと、おおはしゃぎして喜んだり。
ジャッジが不服ならば日本の審判に食ってかかっていく。またベンチ横には彼女らし
き女性を置いたりしてとにかく目立っていたし、楽しかった。
それからインドア含めて多くのブラジル人選手を見てきたけど、彼らのあの熱い闘志
はいったいどこから沸きあがってくるものなのか?あの根っから陽気な笑顔はどこか
ら来るものなのか?長年DJをやっていてこれまで不思議だった。そこで、こんかいは
鵠沼でいつも熱い闘志でプレイしている日系ブラジル人2人にインタビューしてみ
た。


通称”ノブオ”で親しまれているマッチョな男は、河野・マウリシオ(以下、信夫)
といい、1970年、サンパウロ生まれの日系2世だ。
幼いころから、野球、柔道などのスポーツに親しみ、14歳のときにバレーボールと出
会った。「そのころはサッカーやってたんだけど、
身長が高かったから、先生にバレーに行けといわれたんです」(ノブオ)その後一家
は、郊外のフェルナンドという町に引っ越すが、
バレーの魅力に執りつかれた彼はそこでも大活躍し、町では常に優勝。高校に入る
と、うわさを聞いたブラジルのトップバレーチーム「ピレリ」(あのタイヤメーカー
です)のユースから誘いを受けることになる。「ユニフォーム、シューズ、食事、お
小遣いに至るまで、なんでもしてくれたよ、
みんなシューズを買うのにも大変で、ローンを組んで買う人もいるのに本当に幸せ
だったよ」(ノブオ)
しかし、中学時代は高かった身長も、ユースには180cm以上の選手がごろごろいる。
やがてエースの座を奪われたノブオは、
「ピレリ」の下のBリーグチーム「サンベルナルド」に移らざるを得なかった。「ブ
ラジルでは身長が第一。
レベルも高い、セッターでがんばったけど、そこで僕のバレーは終わりました」(ノ
ブオ)

その後インテリアの専門学校に進むが、日本に帰りたいという母の強い希望もあり、
専門学校も半ばにして18歳で日本にやってきた。就職先は茅ヶ崎にあるTOTO.
日本語に不慣れなのと仕事を覚えるために
半年が過ぎたある日、やはりバレーが忘れられず、会社の9人制に入部する。
「会社のバレー部の人に英語で手紙を書いたんです、もう必死でした」(ノブオ)
そんなある日、同僚の日系人から平塚で、ビーチバレ大会やってるから出場しない
か?」と誘われ出場、
いきなり準優勝を果たす。「うれしかった。そのころは、なかなか日本になじめなく
て、ブラジルへのホームシックもあったんです。
初めてビーチをやって2位にでしたから、本当に嬉しかった。あの試合から僕は変
わったんです」(ノブオ)
それからというもの、インドアに加え、平塚、鵠沼、のビーチに毎週通いだし、その
後の活躍ぶりはみんなの知るところだろう。

一時ボディビルダーの誘いがあったほどのトレーニングは、ここ10年欠かしたことが
無い。またビーチには平日夜勤明けでそのまま早朝にやってくる。「少しでもうまく
なりたいんです、だからがんばるんです。ブラジルでやれって?いやブラジルにはこ
こみたいにアマチュアがビーチできる環境がないんですよ。トップ選手ばかりだから
ね。僕は毎週こうしてみんなとプレイしたいんだ、だから日本永住を決めたんです」
(ノブオ)

どうしてブラジル人は、そんなに熱いんでしょうか?の質問には、「小さいころから
娯楽はスポーツなんですよ。だから競争がある。それで成功して少しでも家の生活を
助けたいという強い思いがある。国自体が裕福ではないので、みんなハングリーなん
ですね。最初に日本に来たときに、何でビーチやりながら怒ってるの?って言われた
けど、そうじゃないんです。自分に怒ってるんですよ、練習ゲームでも自分に厳しく
しないと、自分に負けてしまうからなんですよ。でもね、怒ってばかりじゃないよ
(笑い)ブラジル人は週末になると家でパーティをするんです。学校や仕事のストレ
スをそこで発散するんだね。だから、そのときには皆陽気に大騒ぎするんだ。だから
明るく社交的なんだよ。」

最後に日本のバレー選手の印象を聞いてみると、「体と精神のバランスが悪いです
ね。どちらも極めた選手が一流、それがブラジル選手です。僕らは練習中もチームメ
イトと喧嘩するくらい追い込んでやってますよ。ブラジルのナショナルチームなん
て、取っ組み合いの喧嘩もある。日本じゃそんなの見たこと無い。監督から叱られる
ばかりでね。ブラジルにはトレーニング施設も充実していませんがそれでもトップな
んですよ!もっと気合入れてください!あと日本はインドアもビーチももっと若手を
真剣に育てて欲しいですね」(ノブオ)

仰るとおりのコメントにひたすら頭が痛かった。日本に来て16年のノブオならではの
コメントだった。いつまでも僕らとプレイしようぜ!ビーチに魅せられた強くて優し
い、マッチョマンとのすばらしい出会い、ビーチバレーは、ああ、なんて素敵なス
ポーツなんだろう、、、、、・

#次回は、もう一人の日系ブラジル人、MR.ポーキー、ヤスさんです。


(SPORT DJ 山本ゆうじ#7)