1.9 UPDATE ◆三女三様三册




去年の暮れご紹介した3册を読み終えた。
読んだ順に並べると

「オリンピアン、108年目の夏」(増島みどり/角川書店)
「アテネオリンピック 勝利の女神は舞い降りた」(小松成美/ソニーマガジンズ)
「センス SENSE」(山崎浩子/えい出版社)

となるが「どれが良かったかはここに書くことはない」
と書いた前言を翻して言うと全部面白い。

「オリンピアン〜」はアスリートたちへの徹底したインタビュー
だいたい五輪前、直前、五輪後の3回
1人のアスリートにインタビューしていて
それが順を追って載っている。
読めば読む程いずれも愛すべきアスリートたち、
という気持ちになって来る。

「アテネオリンピック〜」はちょっとシドニーの時の
村上春樹の本を思い起こさせるがそれより
開催地と五輪観戦に徹底していて潔い気がする。
徹底的に「アテネ」を旅行者の目で回り
「オリンピック」競技をいずれもチケットを買っての
徹底的にスタンドで観戦している。
この路線でぜひワールドカップドイツの観戦記を書いて欲しい。

「センス〜」は元トップスター選手であり現在競技団体の役員として
強化と広報の役割を担う著者ならではの視点が独特。
ともすると説教じみて来る危険性がある立場なのだが
オーガナイザーと選手と観客の
いずれの視点も同時に持ち合わせているところに
著者の類い稀なセンスが光っている。

図らずもこの3册は女性が書いているが
何だか女性の方が読んでいて潔い気がする。
余計な力が入っていない分
本質へすっと近づく距離感が心地よい。


(UPDATE 2747 針谷 和昌)