|
9/13 UPDATE ◆日本はなぜ強かったのか? |
![]() [体操金メダル祝勝会にて] |
金メダル16、銀メダル9、銅メダル12、獲得メダル合計37。 金メダル獲得数は米中露豪に続く世界第5位。 アテネオリンピックで日本のアスリートたちが大爆発した。 「日本はなぜこんなに強くなったのか?」 メダルを連発している最中に そこまでの分析が語られることは殆どなく 僕はこのことを誰がどう分析するんだろう? 誰か納得させてくれる理由を説明してくれないか?と テレビを見ながらずっと思いつつ日本代表を応援していた。 最初に目にしたのは閉会間近に新聞に書かれていた シドニー後に設立された国立スポーツ科学センターの存在。 閉会して選手団が帰国した時には JOCのゴールドプランが取り上げられていた。 そして閉会して1週間後ぐらいから 雑誌各誌がいろいろな意見を載せ始めた。 「選手が大人になった」「女子の躍進」 「ジャパンオリジナリティの追求」「合宿日数の増加」 「選手寿命が長くなり競技レベルと人間性が一致してきた」 「金メダルを狙うと言う意識改革」「選手各々のコーチの帯同」 「選手の立場に立った協会の動き」 「日本のスポーツ界の考え方が(つまらない精神主義から)変わった」 と様々な意見が出て来た。 どれもそうだろうと思う。 全体に共通した原因もあるだろうし 活躍した競技それぞれにそれぞれの理由もあるだろう。 僕はずっと考えていて 全体的に理由は2つあると思った。 1つは「イチロー」。 イチローがメジャーリーグに渡って4年になる。 イチローはちょうどシドニー五輪の翌年から メジャーにチャレンジしていきなり大活躍 (首位打者、盗塁王、新人王、MVPなど)。 2、3、そして今年4年目も 連続して200本以上のヒットと3割を打ち続けている。 ベースボールと言うスポーツの本場アメリカで トップを走っている何人かのスーパー選手の1人がイチローで そのイチローの活躍を見続けて 日本人も全く互角(いやそれ以上)の闘いを 世界のトップに入って行ってもできるんだという意識を われわれは潜在意識の中に確実に持ったのではないだろうか? アテネへ行った日本のトップアスリートは 無意識にせよイチローが自信のバックボーンの一部に きっとなっていたのではないかと思う (他にも活躍しているアスリートはいるし もちろん彼らのことも潜在意識にあるだろうが いちばん活躍していて象徴的なのはイチローだろう)。 偶然かも知れないが張本人のイチローの アテネ五輪期間の8月の成績は .465の超ハイアベレージで オリンピアンたちの活躍に呼応しているかの様だ。 もう1つは「アテネのアフォーダンス」。 アフォーダンスとは 「環境が動物に提供するもの、用意したり備えたりするもの」 (『知性はどこに生まれるか ダーウィンとアフォーダンス』 《佐々木正人/講談社現代新書》) で、バルセロナ五輪400mで日本人初の決勝進出、 7位の成績を残した高野進(そう、あの末續慎吾のコーチ)が 以下に語っている台詞は まさしくスポーツのアフォーダンスだと思う。 「バルセロナの地で感じていたものは、 自分が大地を蹴って走るのではなく、 大地(地球)が自分を走らせてくれる。 自分は、地球に生かされているという感覚に 近いものだったかも知れません」 (小田伸午/ATHRA 08=2001年8月号) 女子マラソンの金メダリスト野口みずきが ゴール直後のインタビューでこう語っていた。 「(オリンピック発祥の)アテネの地で こんな大観衆の声援を体中で浴びることができて とっても幸せです」 言葉は1つ1つ正確ではないかもしれないが ほぼこのようなニュアンスだったと記憶している。 日本に帰って来た徳野涼子は 昔のまま残っているオリンピック施設を見た時 やはりアテネは特別だと感じたと語ってくれた。 アテネの競技場は空席が目立っていたが 今回のオリンピックが日本の何処かで開催されていたら おそらく殆どすべての競技は観客で溢れかえっていたと思う。 日本人はオリンピックが特に好きだ。 そして今回はその発祥地でのオリンピックだった。 アテネと言うアフォーダンス環境が これまでのオリンピックに比べて選手達の数倍の力を引き出す 大きな引き金になっていたのではないだろうか。 1番目の理由から 今後もオリンピックでの日本選手の活躍は期待できるが 2番目の理由から 北京ではアテネほど上手くいかないだろうと僕は思っている。 (UPDATE 2696 針谷 和昌) |